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「ユズキ、この前のテストどうだった?」
机に着くと、カバとキリが話しかけてきた。
カバこと、蒲谷 悠介(かばたにゆうすけ)。
キリこと、桐山 太一(きりやまたいち)。
そのカバが茶化し気味に、ニヤつきながら、オレの肩にポンと手を置きながら口を開く。
「で、どうだったんだよ?引きこもった成果は」
「引きこもりって…。
まぁ、まずまず?」
茶化しぎみに話すカバに、同じノリで返す。
「そりゃ良かった!
冬休みのイベント全部スルーしたかいあったってもんじゃん?」
「クリスマスはカツラとケーキ食ったし、年越しそばも食べたし、お節もカツラと実家で食ったもん」
オレは友達に恵まれてると思う、
大変だった時、支えてくれる人がいるのは幸せなことだ。
「23番だったよね?」
「え?!マジで?」
唯一、テストの結果を知っているカツラが、笑顔で答えた。
「スゲェじゃん!」
「オレだってやる時はやるんだよ。
でもカツラのおかげかな。勉強教えてくれてたし、冬休みのほとんど一緒だったし」
そう言うと、二人が目を見開き目を合わせ、オレとカツラに交互に視線を向けて、何故か抱き合う……。
「…なに?何が始まんの?」
片口角を引き攣らせ、少し遠い目で二人を見る。
すると二人ほぼ同時に口を開いた。
「やっぱデキて」
「デキてねェーよ!」
それを全力で否定してやった……。
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