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ふふ。
上手くいったわ♪
風香ちゃんは覚えていないと思うけど。
私達は一回あった事あるのよ?
…まぁ、私は猫に扮してたから無理も無いけど
お腹を空かせてへばってた私にパンをくれた貴女
ぼろぼろで、私以上にお腹を減らしているのに
僅かに口元を上げ笑って食べさしてくれた…。
それからと言うもの私に会うたびに何かをくれた
無言だったけれど私を撫でる手が本当に温かった。
目はもう大半が雲っていたけれどまだ…手は
本当に優しかった。
《「……本当にありがとうございます」》
「気にしないで?私からのほんのお礼よ」
不意に後ろから聞こえた“声”に手をひらひら、
振りながら答える、すると再びお礼を言って消えた
姿はなかったけれど優しい人なのだろうと思う。
風香ちゃん。
今度こそ温もりを知って。
どんな過去であれ。
貴女は望まれて生まれて来たのだと知って。
「…貴女に幸せが訪れますよう」
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