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「泣くな瑞貴」
「す…すみ、ませ…っ」
女々しい奴って思われたくない…なのに次から次に…まるで熱い身体を冷やすみたいに
「瑞貴」
「………はい」
どんどんどんどん溢れて来るのが自分でも…むかつく
「好きだ、俺はお前に惚れてる」
「…っ…はい」
だって見えないじゃないか
「俺と…付き合ってくれるか?」
「……………はい」
先輩の顔。ぼやけて見えないじゃないか
「腫れるだろ、擦んな」
「…す、みません」
涙を拭ってくれる先輩の指。それはびっくりするぐい
優しい
「先輩…」
「ん?」
その指が瞼や頬、まるで俺を確認するみたいに触れるのがくすぐったくて
「好きです…好き」
「…俺も、好きだ」
すっげえ…幸せ
「好きでいて…いいんですか…?」
「クスッ。ああ、一生俺だけを好きでいろ」
制服越しに感じる先輩の熱。先輩の匂い…。
「先輩、も…?」
それにストッパーが消えた俺の気持ちが溢れ出して止まらない。
「ああ、俺もお前を一生好きでいたい」
「…はい」
自分から…先輩の背中に手をまわすと、もっと強く抱きしめられて
「好きです…好き」
そればっかりしか言えなくて
「俺もお前が好きだ」
ずうっとこうしていたかった
.
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