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「瑞貴、顔上げろ」
それなのに先輩がそんな事言うから
「……………いや…です」
普段なら言えない。だけど嫌なものは嫌。イヤイヤと先輩の胸に顔を埋める俺は小さい子供みたいだ。
「瑞貴」
「……………」
でも先輩はそれを許してくれないみたいだ…。
「顔、上げろ」
「………だ、だって」
ポンポン。俺の背中を優しく叩く先輩の手。
「だって?」
「か、顔…ぐちゃぐちゃだしっ」
きっと真っ赤なままだし…。今更なんだけど…恥ずかしいっ
「瑞貴」
「………」
「瑞貴」
「………」
「瑞貴」
「………は、い」
全然脅す口調とかじゃないんだけど…やっぱ先輩には逆らえない…。
「可愛いな」
「………目、大丈夫ですか…?」
見られてる。それが恥ずかしいから目を閉じれば…両手で頬を挟まれて
「バーカ、俺には世界一可愛く見えんだよ」
「………」
ぷにぷに。…べ、別に俺太ってない…それこそ平均的だ。
「なあ」
「はい」
飽きもせずに触れて来る指先。
「キスしていいか?」
「っ………!」
その指先が唇に触れた
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