第1章~凉乃宮 澪牙~

8/8
前へ
/13ページ
次へ
Ⅳ その後は特に何も起こらず、明日の持ち物等を確認して初日は御開きとなった 「んじゃ、俺達も帰るか」 俺はそう言って荷物を手に持った 無駄に軽い 「そうしますかね」 なんていって蒼華も荷物を手にとった 階を降り───一年の教室は四階である───職員室前に差し掛かった時、黒髪で眼鏡をかけた男子とすれ違った 忘れ物でもしたのだろうか やけに息の荒い眼鏡男子から目を放し、下駄箱に向かおうとしたら蒼華が今の人誰なんだろうねー、なんて聞いてきたので、俺が何でも知ってると思うなよ?と適当に返してから靴を取り出す 俺の気に入っているスニーカーだ 特に思い入れはないけど、なんとなく気に入っている 俺達はそのまま駅に向かい、Suica派かPASMO派かなんてくだらない会話をしながら電車に乗る 「本当にこのままかえるのかい?」 「は?違うのか?」 いきなり意味のわからない事を蒼華に聞かれて、逆に質問してしまった 蒼華はやれやれといった感じで、たっぷりためてからこう言った 「だから、遊びには行かないのかい?」 「なんだ、遠回しなデートの誘いか」 殴られた
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加