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『慎さん、もうすぐ頂上だよ!』
「そ、そうだな。」
どうしようもない不安が突然襲ってきて、雪の手を強く握りしめる。
ここを越えれば、後は降りるだけだから……
そう自分に言い聞かせていると、突然ガタンと大きな音がした。
『な、何!?』
音の正体は分からなかったけど、一つだけ確かな事がある。
音がしてから、外の景色が全く変わっていないと言うこと。
『も、もしかして、観覧車が止まっちゃった!?』
俺が想定していた中で一番最悪なシナリオだった。
忘れてたけど、雪は筋金入りの不幸体質だから。
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