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『慎さん!』
雪の驚いたような顔を眺めながら、ゆっくりと意識が薄れていった。
思い出すのは、小さい頃に観覧車に乗った時の出来事。
あの時も、今と同じように観覧車が途中で止まって、死ぬほど怖かった記憶がある。
それ以来、観覧車は乗らないと心に誓ったのに。
『慎さん!』
誰かの声が聞こえる。
泣きそうで頼りなさげな声。
『慎さん!!』
今まで聞いたことの無い声。
でも、確かに聞こえる。
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