休日と告白

15/22
432人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
「ゆ…………き?」 ゆっくりと目を明けて、確認する。 目の前の少女は泣きながら、 『慎さん、慎さん!』 しっかりと声を出しているのだ。 想像していた通りの、透き通るか細い声が二人だけの観覧車の中から聞こえる。 「雪、お前声『良かった。良かったよー……慎さんー……』 泣きながら俺にすがり付くようにぎゅっと抱きついてくる雪。 その小さい体を抱き締め返しながら、自分の不甲斐なさを感じた。 「ごめん。 ごめんな心配かけて。 不安にさせて、悪かった。」 ここが頂上だとか、高くて怖いだとか、そんな事を考えている暇がないくらい、胸の奥が熱い。
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!