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ガキは目を輝かせて頭を下げると、自前のスケッチブックに何かを書きはじめた。
三十秒ほどで、書き終えたスケッチブックを嬉しそうに俺に見せてくる。
「何だこれ。家系図?」
スケッチブックには沢山の文字と線が書かれている。
下らへんには、俺の名前が書かれていて。
その隣の名前は……
「清[きよし]……か」
俺のいとこの名前が書かれていた。
その隣には奥さんらしい女の人の名前がある。
お互い就職してから、音沙汰がなくなってしまい、結婚しているなんて知らなかった。
「子供がいるのか。……雪?」
目の前のガキが頷く。
「お前、清の子供なのか?」
コクコク!
あー、何となく分かった。
全くの赤の他人と言うことでもないらしい。
限りなくそれに近いけどな。
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