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一歩、下がる。
カツーン…と靴音が響く。
街の中なら有り得ないことなのに。
違う場所にいるような気がした。
自分の知らない場所に。
「え…!?」
溢れた言葉は稚拙で、逆に自分でも驚いてしまうが、それでもそれ以上の言葉が出なかった。
「・・・リス、アリス!」
自分の名を呼ぶ声に、ハッと我に返る。
「どうしたのじゃ、いきなり呆けて」
「ごめんなさい、寝不足かしら」
「おや?寝不足は美容の大敵じゃぞ?」
笑い合うビバルディとアリスにペルネーラはクスリと笑った。
「じゃあまたね!」
そう一言だけ言って二人から離れた。
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