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そう言ってから、私は自分のしたことにきづく。
…おっと。これセクハラじゃない?
そう思ってそっと手を離そうとすると、マサヒロの手の平が再度押し付けられた。
「普通ですよ。カスミさんが小さいんじゃないですか?」
手の平から熱が伝わってくる。その温かさに、私は一瞬びくりとしそうになり、そんな自分に動揺した。
…なんだ、これ。なんか。
「.…えいっ」
「わっ」
動揺を隠すため、私は手を握りしめ、マサヒロの手の平にパンチを繰り出した。ばしっといい音がする。クリーンヒット。
「何するんですかー。カスミさん、今結構本気でしたね…?」
「ふはは、油断大敵なのよ世の中は」
恨めしそうにいうマサヒロを背に、私はさーてお酒お酒、と立ち上がった。
つーか、もう、手を合わせただけでドキっとするなんて中学生以下じゃない。何やってんだ私。そんなにときめきに飢えてんのか。ああもう、恥ずかしい。もうこれは飲むしかない。
そう考えながら冷蔵庫から酎ハイを取り出した。
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