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レベル72アースドラコンを一撃で倒した少女は刀をしまった後、こちらに歩いてきた。
そして呆然としている俺に声をかけてきた。
「こんにちは」
俺も急いで挨拶をする。
「こっ、こんにちは!」
まだ目の前で見た光景が頭から離れずにいた。
おそるおそる聞いてみた。
「あのぉレベルはどのくらいで……?」
初対面の人にレベルを聞くのは、ノーマナー行為だが衝動的に聞いてしまった。
「ん~今は教えられない。そうだ、君の名前は?」
「カヲルです。18才です。ハンターやっています」
「あなたの名前は?」
「ユナンです。19才です。同じくハンターです。よろしくカヲル君!」
笑顔で答えた少女ユナンは先程の居合いの時の顔とは全く違い、笑顔からは想像出来ないほどだ。
心の中で色々と思っているときにユナンはとんでもないことを言った。
「レベルの代わりに教えてあげる!」
「なっ何ですか?」
「私……ゼロハンターなの」
「ええっ!え……本当ですか?マジですか?」
「嘘つく必要なんかないじゃん!ほらゼロハンターの証!」
そう言ってカードを渡してきた。
通称「ハンターカード」と呼ばれるものだ。俺のは普通の紙なのだか、渡されたカードには、金色で光っておりカードにはたしかにユナンの顔写真と名前そしてゼロハンターの証の鳳凰をモチーフにした印が、確かに押してあった。
「……マジですか。いやでもその若さでゼロハンターになれんですか?」
「頑張ればなれる!」
ユナンは即答した。
俺はユナンと一歳しか歳が離れていないのにここまで実力が違ったのに驚いた。
「所で君は何でここに来たの?」
「そのぉ自分の武器を強化するために素材集めをちょっと」
今の俺の武器は、片手剣
「インブレソード」
それをを一つ上のランクの「エルダスソード」 にしようとしていたのだ。
そういうことを説明し終えたらユナンが言った。
「私はとりあえずゼロハンターとして未開のエリアや遺跡、迷宮の調査をしているの。とりあえず町に戻ろ!」
気が付けばもう夕暮れである。
夜になるとモンスターは強い奴が多い。
しかもここでは、エリアボスが出るらしいために夜になる前に町に戻らなければ行けないからだ。
「そうですね。町に戻りましょう。」
ゼロハンターのユナンと、とりあえず一緒に近頃よく使っている宿屋がある、「ベークライト」という大きな町に向かって歩き始めた―
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