一章 出会い

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重厚な扉を開いていく。 中には巨大なトロルがいた… ボス「キングトロル」 明らかに迷宮のトロルとは大きさは違い、強い感じがする。 俺たちは武器を構えた。 ボストロルの咆哮はバトルの開始であった。 ガードしても弾き飛ばされる。じわじわ減っていく体力を気にしながら隙を狙って攻撃を加える。 さすがのユナンも居合いが出来ずに回避、防御→攻撃のパターンで体力を削りに行っている。 どちらもじわじわ体力が減らされて行くため、なかなか攻撃に集中出来ない。 俺は、ボストロルに一撃を与えてから急いで離れて回復薬―「エールと呼ばれる。」 を煽った。 俺たちは事前に回復する時の打ち合わせをしていたのだ。 俺が体力を回復してトロルに攻撃したときには三割まで減っていた。 ユナンの体力は、まだ半分以上あり、終わりまで持ちそうだった。 キングトロルの武器 「ベルセルク」は、まともに当たったら俺は、半分以上持っていかれるだろう。 しかしそんなのは、杞憂で終わり、約二時間くらいを過ぎた時、やっとキングトロルはその身体を倒した。 そして止めを刺したユナンとハイタッチをする。 「倒したね……」 さすがに楽な戦いじゃなかったらしい。 肩で激しく呼吸している。 「だ、大丈夫ですか?」 「うん……大丈夫……」 多分無理をしていたのだろう。 「この奥に財宝があるの」 そういいながらユナンは、歩いて行った。 その後ろをついていく。 奥の部屋にあったのは― 苔むした宝箱であった。 「えっ……これが迷宮の財宝ですか?」 「そっ」 開けてみようとするが、開かない。 「ちょっと退いて」 「あっ、ああ」 そう言ってユナンは、宝箱の前に立った。 そして―あっけなく開いた。 宝箱の上を切って…… ユナンは俺を気にせず宝箱から何かを取り出した。 「……!」 出てきたのは、片手剣であった。 しかし何か圧倒的な力を放っている。 「魔法剣 神聖 」 「この剣の名前よ。あなたにあげる。」 「魔法剣って何ですか?つうか魔法ってあるんですか?」 「あんまり知られてないけど魔法は存在するの。でも大体がこんな風に何かに宿っていることが多いの。」 剣をもらった俺は今の武器を外し新しい剣を腰にさした。 聞きたいことがだいぶあったが聞く前にユナンが答えた。 「話は町に戻ってから」 確かにここは危険なのでうなずき、町に向かって歩き始めた。
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