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俺たち……一緒に行動することになったユナンとベークライトをでて、南東にある『バース』という商業都市に向けて歩き始めていた。
バースには、ギルドが多くあるため、そのぶん依頼も集まるからだ。
バースに向けて俺たちは、『カード山脈』 を通らなければいけないのでその入口から入って行った。
しかし少し歩き始めた所で横から何か飛んできた。
「うわっ!」
飛んできたのは血の色ような深紅の短剣であった。
ユナンが反応し、短剣が飛んできた方向に走って行った。
その短剣を投げた人の姿が見えた……
何か忍者のような姿をしていた。
「危ない!」
ユナンの声だ。
声に反応したときには、俺の右手に握られていた短剣が消えていた。
確かに握られていたはずだ。
何度も周りを確認して周りにないことを確認した。
戻って来たユナンに聞いた。
「あの忍者みたいな格好をしたやつが、奪ったのか?俺が気が付かないように奪うやつなんているのか?」
ユナンは、表情を暗くして答えた。
「あいつは『アサシン』と呼ばれるゼロハンターよ。あの深紅の短剣があいつの愛用武器だから間違いないはずよ。」
俺は、呆然とした。
まさかゼロハンターに『アサシン』とゆう物騒なやつがいると思わなかったからだ。
「あいつは裏の仕事中心の奴だから気をつけてね。」
ユナンはそう言った。
「あそこまで近づかれても気がつかないのだからどうすることも出来ません!」
俺は、心の底からのままに言った。
「まあ一人にならなければ大丈夫かな。ルールでゼロハンター同士の勝負は、禁止されているし。」
「そっ、そうですが…」
そこで一つ疑問がわいた。
なぜルールがあるのにあの深紅の短剣を投げたのか?
見た感じ、鍛冶屋で作る武器とは、強さが段違いだった。恐らく、迷宮の宝箱からのドロップ品であろう。
あんな短剣が、刺さったら死んでいただろう。
死の恐怖が今更のように感じてきた。
例え25人しかいないゼロハンターと言っても普通のハンターにとっては、戦いになったときは、終わりだろう。
そんなことを考えながら歩いていた。
「……君、……ル君、カヲル君!聞こえる!?」
「あっ、ああ、ゴメン。」
「さっきのこと気になってるの?」
「ああ、後から死の恐怖がわいたからな。」
「大丈夫だよ~。それより見て!バースが見えてきたよ。」
バースが見えた瞬間俺は、やっと安心した―。
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