彼氏に話せる?

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正志さんはリビングに出て、またソファに座った。 「えっと何か飲む?」と聞く。 「うん。ビールあれば……」という。 冷蔵庫は昨日、高杉が友達からもらってきて、 それ以外にも電子レンジと小さなTVをもらってきてた。 『洗濯機は今度、激安ショップで買ってくるんで割り勘な』って高杉は言っていたっけ。 冷蔵庫を開けると、高杉のものと思われるビールが6.7本入ってる。 ちょっと借りちゃってもいいかな……。 後で返すから……。 と思い一本取り出し、正志さんに渡しながら私もソファに腰をかけた。 「サンキュ。あぁ、俺が同居人だったらよかったのに……」 「ごめんね……」 「俺の家、遠いし、真琴が一緒に住めない理由もわかってるつもりだけど、 でも他の男かぁ……。 納得いかねー」 「そうだよね……。 私だって、正志さんが他の女の人と同居ってなったら、 すごく嫌だし……」 そういうと、正志さんは真琴の肩を抱いて 「絶対、『何か』ないようにな。  しっかりガードして、攻撃されたらカウンターな」 と正志さんは言う。 その言い方が空手家っぽくて笑いながら、こくんと頷いた。 正志さんが私の肩を抱き、 ゆっくりと顔を近づけてくる。 目を瞑って、正志さんの存在を唇で感じる。 1週間ぶり。 ソファに押し倒されて、 正志さんが私の上に覆いかぶさるように乗る。 すかさず、手がTシャツの下に滑り込んで、 直に、肌を撫でる感覚。 その手の感覚が気持ちよくて、 熱いため息を漏らした。
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