彼氏に話せる?

9/15
5562人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
アパートの2階の部屋。 鍵を開けて中に入ると、真っ暗で、 高杉はリビングにはいなかった。 「ただいまぁ」 と一応言う。 なんの反応もない。 「おじゃましまーす」 と低い声で、正志さんが言って続いて入ってくる。 「うわ。すげーキレイ。ソファーもついてたわけ? リビング15畳くらいあるんじゃね!?」 「うん。天井も高いし、すごく快適なんだ」 正志さんはそのままソファに座った。 とっても座り心地がよくって、 ついついうたた寝しちゃいそうなほど、気持ちのいいソファだ。 「で、その同居人は?」 「うん。あっちの部屋がそのヒトの部屋なんだけど……。 今はいないみたい」  一応部屋をノックしてみるけど、反応はない。 「こっちが私の部屋。 まだ全然片づけてないんだけどね……」 と言って、 個室のドアを開け、中に入る。 個室は5.5畳の洋間。 まだ段ボールだらけで、家具もほとんどなく、 布団を引いてようやく寝れるスペースがあるくらい。 「鍵、ちゃんとかかるんだ」 「うん。しっかりかけて寝てます……」 「ふーん」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!