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土曜日。朝。
朝といっても、
すでに11時を回っていて、
平日なら、私は学校に行っている時間。
ようやく起きたらしく、部屋から出てきた高杉をつかまえた。
「ね。話があるんだけど……」
部屋から、女が出てこないところを見ると、
昨日の夜は、女は連れ込まなかったみたいだ。
私がダイニングで、
ぶすっとしたまま座っているのを、面倒くさそうに見る。
「何?朝っぱらから、深刻そうな顔して」
言い方は軽いけど、
高杉も負けずに、ぶすっとした顔。
しぶしぶ……
といった感じで、
ダイニングテーブルに向かい合って座った。
普段なら絶対にしないけど、
淹れていたコーヒーを注ぎ、
高杉に差し出した。
「さんきゅ」
表情を緩めることなく、コーヒーを受け取った。
あーやっぱり、その態度、ムカツク……。
だけど、
今日は穏便に話し合うんだ。
一度、首をブルブル振ってから、
話し始めた。
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