1人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は、取りあえず上に向かうことにした。
だいたい、企業秘密っていうのは、最上部か、地下の一番奥の部屋って、相場が決まっている。
そして、この病院には見たところ地下室はなさそうだし、逃げる時、下へ下へと逃げるには、上にあらかじめいなきゃいけない。
(上に逃げるのは疲れるし、仲間でもいない限り、屋上に追い詰められて終わりだ!)
俺は、最上階を目指したが…。
3階。
それ以上はなかった。
なので、俺は、3階の一番奥の部屋に向かった。
しばらく長い廊下を真っすぐ歩いて行くと、壁に突き当たった。
俺は、その壁から一番近い、入ってきた方から見て左の部屋へ近づいた。
病室の表札には、名前がなかった。
俺はゆっくりとドアを開けた。
中はかなり広い造りになっており、その中央にベッドが一つ置かれていた。
おそるおそる、俺は寝ている人物の顔を覗き込んだ。
そこに眠っていたのは、歳は、11、2歳の少女だった。
「この子がEW商事の秘密なのか?」
俺は、今ひとつ理解できないままその場を後にしようとしていた。
その時、マスターから言われた事を思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!