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「心愛。絶対この学校で恋愛をしなさい。私は政略結婚に反対だ」
「お父様……」と力なく呟く父。ありがた迷惑なお祖父様。
私恋愛なんてしたくない。
お父様の言うように勝手に決めてくれたらいいのに。
そしたら…誰も愛さなくていい。
「では、行ってまいります」
全ての気持ちを押し込めて、私は学校へと向かった。
校門には、友達の天海りんが黒い髪を風になびかせ立っていた。私に気づくと手を拭り小走りで私に向かってくる。
「心愛。また同じでほんとーに嬉しい。この学園では私が先輩だから、何でも教えるね」
私より先に入ってるりんに、宜しくねと手を出すと握られ、耳元で夏目君の事を聞かれた。
「私は気にしてないよ。結果的に夏目君の件があって自由恋愛許されたんだし」
「で、も……この学園の人とでしよ?」
りんの言葉に頷く。この学園に夏目君が居る。追ってきたとか思われないか心配だった。
「そうそう……心愛から奪った奴もう、捨てられたらしいよ。心愛この学校本当に注意してね。」
恋愛豊富なりんに注意をされ、私は小さく頷いた。りんと同じクラスらしく一緒に向かい、自己紹介も済ませた。
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