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鳥の鳴き声が聞こえ、カーテンの隙間から日の光が部屋を照らしていた。
大きく背筋を伸ばし、1人で寝るには大きすぎるベッドから降りて、制服に着替える準備をする。
「心愛様、朝食の準備が出来ました。広間へお越しくださいませ」
ノックをされ、私の返事を聞かぬままペラペラと喋られ終わると去ってた。
今日から新しい学校へと行かなくてはならない。
だけど、先週のお祖父様のお言葉で私は、女子高から共学に通う事になった。
普通の方が行くところとは多少違っていて、いわゆるお金持ちが集まる学校だ。
「おはよう心愛。さ、お座り」
優しい声に目元にシワを作って笑う祖父。今では優しい人だけど、昔はそれなりに厳しかったらしい。
「お父様、私は反対です。心愛は私が決めた人と結婚すればいいのです」
「また、お前はそういうことを、お前が選んだ夏目は、心愛と婚約解消したではないか!!」
父と祖父は私が婚約解消されてから、意見が対立してしまった。
婚約解消の理由は色々ごまかしたけど、本当は夏目君が私の友達に取られてしまったのが原因。
幼き頃から私は、政略結婚で結婚相手を勝手に決められてしまう。
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