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――その後――
勇者「……やっと、落ち着いたな」
勇者「王様による連日のパレード、パーティ、つらかった……」
僧侶「ふふふ……」
女戦士「……さてと、故郷に帰るかな」
僧侶「皆さん、本当にいいんですか? せっかく貴族になれそうだったのに」
勇者「俺はゆっくり暮らせればそれでいい」
魔法使い「……私も」
女戦士「私はそういう堅苦しいのは苦手だね」
僧侶「皆さんやっぱりそうなるんですね」
勇者「僧侶さんは、中央都の司祭さまなんだっけ? すごいよ」
僧侶「すいみません……私だけ」
勇者「いいよいいよ。また会いに行くからさ」
僧侶「では、わたくしはこちらなので」
女戦士「そっか。途中まで同じ道だから、いっしょに行こう」
僧侶「お願いします」
女戦士「……じゃあ、うちらはこれでお別れだ。じゃあね」
僧侶「はい。今までお世話になりましたっ!」
勇者「ああ。じゃあな。気をつけて」
魔法使い「さようなら」
勇者「んー、これからどうするかなぁ」
魔法使い「どうするんですか?」
勇者「腕も片方ないし……。戦うこともできないから、故郷にでも帰るかな」
魔法使い「……あ、あの!」
勇者「どうした?」
魔法使い「じゃあ、私もいっしょに……その」
勇者「別にいいけど……。学院の人たちを見返すんじゃないのか?」
勇者「魔王討伐の御触れは学院にも届いているし、きっと英雄扱いだと思うけど」
魔法使い「……でも」
勇者「……」
魔法使い「だ、だって!」
勇者「えっと……。いいよ、いっしょに行こうか」
魔法使い「は、はい! いつまでもいっしょです!」
勇者「そうか。そう言って貰えると嬉しいよ」
魔法使い「……ふふ」
終わり
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