1人が本棚に入れています
本棚に追加
さみしがり屋のうさぎは名がなかった。
他のうさぎとちがって毛は黄色かった。
うさぎは、いつも 考えた。
みんなは、あんなに雲みたいなきれいな白い毛なのに
僕は、なんでこんなに黄色なんだろう
と。
うさぎには、母親がいない。父親も兄弟も、妹も。
そして、 ともだち も。
母親たちの毛も黄色 だった。
いや。
きいろだと思っていたのは、自分たちだけで 実際は、 金色だった。
人々は、その毛をほしかった。
月に 反射し きれいに 輝く、
その きんいろ の毛を 。
だから……
うさぎは、今はひとりぼっち
それから うさぎは いつも 少し
しくしく
と 、 鳴いている
最初のコメントを投稿しよう!