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はぁ…赤色の玉が出る確率か…
あたしが先生に告白してOKを貰える確率なんて0に等しいんだろうな…
『高橋さん、手止まってる』
あっ、いけない。センターまで一週間なのにこんなこと考えるなんてバカにも程がある。
すみません、と小さく謝ってシャーペンを走らせる。
この努力、実るかな。
気づけばセンター前日になっていた。
それでもあたしは学校へ向かう。
誰も居ない進路室。
ここであたしは一年間頑張った。
明日は全てを発揮してくるよ。
進路室にもお礼言わなきゃね。
後ろに人の気配がし振り向くと白木先生が立っていた。
『前日までご苦労様。
いよいよだな。センター。気持ちはどうだ?』
「緊張するけど…大丈夫です。」
『フッ。全然そんな顔してないけどな。
怖いんだろ?
でもな、年賀状にも書いたけど高橋さんはすごいよ。
前向きに突き進んで、ぶつかっても諦めず立ち向かう
俺が神様だったら絶対に願い叶えてやろうって思う。
だから、はい。神様からのプレゼント』
差し出された手には“合格祈願”と書かれた五角形の鉛筆。
「ありがとうございます。頑張ります」
『頑張らなくていいよ。
自然と頭から出てくる答えを書きなさい。それが正解だから。二酸化炭素の製法は?』
「炭酸塩に塩酸を反応させる。もしくは炭酸水素ナトリウムを加熱する、です」
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