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…ない… なんども見直す。 あたしの番号は 1428635 これに間違いはない。 え…な…なんで…。 しばらくその場から離れなかった。 この大学に来ることはもうない。 昔から憧れていた大学… 先生、あたしバレンタインデーの日に失恋したよ。 大学に振られたよ… 校門を出ると 『高橋さん』 大好きな声がした。 あたしは静かに振り向く。 「…し、白木…先生」 『お疲れ様。 たまたま近く通ったからさ、来てみた。 とりあえず、乗ってく?』 結果を聞いてこない先生に少し驚いた。 なんで聞かないんだろ? 「わ…私の受験番号…な…い…でした」 不思議と流れてこない涙。 日本語がおかしいのは分かってる。 けど… 先生は黙っている。 何か言ってよ! 「でも…か…化学は…満点でしたよ」 しつこい程このセリフは言ったな… センター終わってから。 この沈黙が怖いよ…。 『おめでとう』 先生は今のあたしに一番似合わない言葉を発した。 今なんて仰いました? 『高橋さん、先生は三年間君を見てきた。 最初は元素記号は書けない、モルの計算なんて論外。電池はチンプンカンプン。 そんな君が理系に来てがむしゃらに頑張った。 毎日学校にも通った。皆勤賞並に。 センターで満点取れた。 それだけで凄い成長だよ。 その成長、自分でも分かるだろ? だったら合否関係なく、自分が受験を通して一年で一回り大きく成長できでおめでとう。って自分自身に言うべきなんじゃないかな?』 『まぁさ、第1志望校に落ちて泣くのは当たり前だと思う。だってその学校のために頑張ってきたんだからね。一年間。 浪人するか第2志望校の二次勉強するか受かってる私大行くかは高橋さんが決める事だから先生は何も言えないよ。 ただ1つだけ。"高橋さんは素敵な受験生だよ"』
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