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「フフフ……どういたしまして。それでは、行きましょうか」
「……?」
ニコリとした顔を見て、幸は何か違うものを感じた。
「なんか、無理してない……ませんか?」
「――え」
目を見開いて、その場で案内役の生徒が固まった。
「いや、ちょっと、変だな……って」
変なことを口走ったような気がして口ごもる。
その間に目の前の男子生徒は口元にてを当て、小さく、
「面白い」
と呟いた。
「自己紹介がまだでしたね。私は春麗学園生徒会副会長、龍園寺静香(りゅうえんじしずか)と申します。以後お見知りおきを」
「お、僕は――」
「いえいえ、もう君の名前は知っていますから」
スッと静香が近づいてきた。
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