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校庭と呼んで良いか分からないくらいの豪華なものに相応しい、これまた豪華な校舎が見えた。
靴を来客用の靴箱に入れ、スリッパに履き替える。
「こちらですよ」
ニッコリと笑って促される。やはりなんとなく目が笑っていないのが気になるが、指摘してさっきみたいなことになっても困るのだ。
結論としては放っておくに限る。
今は授業中らしく、他の生徒とすれ違うこともなく目的の理事長室までたどり着いた。
「それでは、また機会があれば会いましょう」
「あ、ありがとうございました!」
自分では太刀打ちできないだろう大人の雰囲気を漂わせる静香に、改めて礼を言った。
……次は本当に笑ってくれたら良いな。
背を向けた静香は小さな声で「こう言うのも良いものですね」と呟いていたのを、幸は知る由もない。
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