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「おめぇ、本当に腕いいなぁ」
「…ありがとうございます」
(本当は…こんなことしたくない、のにな…)
少女はとても狩りが上手かった。
そんな少女の国は他国と戦争をしていた
。
少女は国のえらい人に腕を認められて戦争をしていた部隊に入れられたのだった。
(はぁ…なんで私、こんなことしてるんだろ…。
私は生きるために命を捕らせてもらってた。そのために狩りの腕をあげた。
……こんな意味のない戦争のためじゃ、ない)
少女は立っていた。赤く染まった手を眺めて、赤く染まった人を眺めて。
「私、おかしいのかな…」
「え?」
「人を殺めてるのにこんなに平然としてる。平然とご飯を食べてるわ。」
「そうだね。おかしいんじゃないかな。僕もキミも。」
「……」
「それでも僕はキミが好きだよ」
「…私も、それでもあなたが好きだわ」
ねぇ、私、あなたが好き。
例え動かなくなってしまった今でも。
あなたが好きよ?
あなたは……?
あなたを失ってもそれでも人を殺めて生き続けている私を好きでいてくれる?
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