11人が本棚に入れています
本棚に追加
『ヴぅ……』
新宿の高田馬場、ある男がうめき声をあげながら、千鳥足で歩いていた。
『ダァメだぁ…』
ウゲッ
我慢が出来なくなったのだろうか、その男は口から汚物を吐き出した。
『おいおい、木村きたないぞ(笑)』
結城『うるへぇ…ヴぇ~』
いま、汚物を吐きまくっている男の名前は
木村 結城 23歳
独身
職業 サラリーマン
ごく普通の大学を出て、つい最近この会社に就職した。
今日は、その木村に対する歓迎会だったのだ。
上司『これぐらいでへこたれちゃこの先やって行けないぞ~(笑)』
結城『マジスか! ヴぇ~』
『おいおい笑』
『こりゃ相当ヤバイなぁ』
『ここら辺で今日は解散かなぁ(笑)』
社員たちは口々に言っていた。
上司『う~ん、そうするかぁ。んじゃ、南君。木村君を送ってやってくれ。』
南『は~い。わかりやした。』
そう言うと、南と呼ばれている男は結城を、かかえあげた。
『お疲れ様~』
『また明日ね~』
社員たちは慣れた様子で帰っていった。
南『おい!しっかりしろ』
結城『は~い、ヴぇ~』
南『おいおい…とりあえず全部吐いとけ。』
結城『ありがとうございまふ…ヴぇ~』
この優しい先輩は
南 弘毅 28歳
既婚者
結城より3年前に入っている先輩である。
南『もう、大丈夫か?』
結城『ふぁ~い』
南『んじゃ、行くか』
南は結城の腕を持ち上げ、肩に回した。
最初のコメントを投稿しよう!