第03話

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「あたしが、ショウと出会ったのは、  中三の夏で・・・  その頃のあたしって、今以上に、  男に惚れやすい女でねぇ。  そんな日、ある同級生の男子に、  レイプされそうになったの。  でも、上手く、  その場を逃げられた」 リオンは、清美の顔を見つめる。 「それでねぇ。家に帰るにも、  制服がボロボロだったから、  親がそれを見たら、  あたしの事を心配すると思って。  周りが暗くなるまで。ビルの影で、  人に見つからないように、  隠れていたら・・・」 清美は苦笑いをする。 「そのうち、雨が降っちゃってさぁ、  身体がガタガタと震えちゃって。  “もうダメだぁ、このままじゃ、   死んじゃう”って思ったときに、  ショウが女の人と一緒に、  あたしの事を、見つけてくれたの。  それが、あたしと、  ショウとの出会い。  ショウはあたしに、  着ていた上着を、  肩にかけてくれて。  そのまま、ショウの店に、  連れてってくれて。  手当てとかしてくれたの」 初めて、知った。 清美に、そんな過去が、 あったなんて。 「それからは、店に遊ぶに  行く様になったの」 『そうなんだ』
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