第03話

6/10
前へ
/48ページ
次へ
「あたしが、ショウと出会ったのは、  中三の夏で・・・  その頃のあたしって、今以上に、  男に惚れやすい女でねぇ。  そんな日、ある同級生の男子に、  レイプされそうになったの。  でも、上手く、  その場を逃げられた」 リオンは、清美の顔を見つめる。 「それでねぇ。家に帰るにも、  制服がボロボロだったから、  親がそれを見たら、  あたしの事を心配すると思って。  周りが暗くなるまで。ビルの影で、  人に見つからないように、  隠れていたら・・・」 清美は苦笑いをする。 「そのうち、雨が降っちゃってさぁ、  身体がガタガタと震えちゃって。  “もうダメだぁ、このままじゃ、   死んじゃう”って思ったときに、  ショウが女の人と一緒に、  あたしの事を、見つけてくれたの。  それが、あたしと、  ショウとの出会い。  ショウはあたしに、  着ていた上着を、  肩にかけてくれて。  そのまま、ショウの店に、  連れてってくれて。  手当てとかしてくれたの」 初めて、知った。 清美に、そんな過去が、 あったなんて。 「それからは、店に遊ぶに  行く様になったの」 『そうなんだ』
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加