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-青森県弘前市-
1月3日、リオンの
16歳の誕生日。
リオンはイヤーホンで
好きな歌手の曲を聴きながら
電車の窓から景色を見ていた。
あたしと弟は母親が
家を出って行った後、
父親の実家に預けれた。
その父親は遠くの街で
工場系の仕事をしている。
父親と会えるのは
正月とか長い休みの時だけ。
月に1度、父親から
あたし達へと
5~6万の仕送りが来る。
リオンは電車から降り、
改札口を出た。
『あいつ・・・まだ、
来てないのかぁ』
リオンは辺りを見回す。
今年も、何気な誕生日。
そんな気がしていた。
10分後、リオンが
高校入学後から
いつの間にくっついて
来る様になった、
菊川 清美が走って来た。
「リオン~!!おはよ」
清美はリオンに駆け寄る。
清美は男に惚れやすく、
付き合う男が
次々と変わっている。
リオンは不機嫌な顔する。
『あんたねぇ』
「ごめん」
清美は手を合わせる。
『でぇ?何で、遅れたの?』
清美は横髪をいじり始める。
「今カレがねぇ・・・なかなか、
着替えせてくれないくって」
リオンは呆れた顔になる。
『あっ・・・そう』
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