Period2 バスケットボール!

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犬岡は力強く踏み込み、松木の肩に手をかけると、一瞬で彼らの頭上高くへ舞い上がった。 「(まじかよ…人超え…。)」 ガツンッ ルーズボールをとりにいくタイミングで跳んだ大槻より遥か高い位置でボールをとらえ、そのままリングに叩き込んだ。 リングをつかんだ手を支点に、振り子のように体が振れた。 ちょうど水平になったところで手を離してしまった犬岡は背中から地面に激突し、悶絶していた。 「いてー…。」 その言葉を皮切りに大賀、松木の2人が歓喜の声を上げた。 「よっしゃー!よくやった、大輔!」 「やった!やった!やっと決めたー!」 呆然と立ち尽くしていた大槻は、プレーヤーとしての楽しみとまた別の感情を抱いていた。 「(スピードスター、ピュアシューター、パワープレーヤー、それぞれがそれぞれの素質をもってる。それも、高いレベルの。こいつら…もしかしたら…。)」 「いぇーおっさん!見たか!俺らの実力!約束だからな、好きなもん1つ何でも買ってくれるって!」 はっと我に返って大槻は松木に答えた。 「いやー、負けた負けた。すげーな、お前ら。いいぜ、なんでも言いな。」 3人は揃って同じ言葉を発した。 「バスケットボール!」 お互いがお互いの顔を見合った。 しんとなったグラウンドで大槻は声をあげて笑った。 「以心伝心だな。ナイスチームワークだ、そりゃ負けるわな。」 「おっさん、次会うときはもっとこてんぱんにやってやるからな!覚悟しとけよ!」 「覚悟…ってより、楽しみにしとくよ。」 お前ら3人のこれからの成長をな、と大槻は小さくつぶやいた。
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