Period3 柔よく剛を

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「ねえ、ミゾヤくん…だっけ?」 下校時間になり、大賀は気になっていた男に声をかけた。 「あ、うん…えっと、君は…?」 「同じクラスの大賀健二っていうんだ。よろしくね。」 「あ…僕は溝夜巧(ミゾヤ タクミ)。よろしく。」 「溝夜くんって大きいよね。何cmあるの?」 「191cmだよ。」 「いいなあ。ねえ、さっきから何読んでるの?」 大賀は、溝夜が熱心に読んでいた冊子を覗き込む。 「あ、これ、寮のパンフレットじゃん。」 「う…うん。僕、今日こっちの島にきたからまだ入寮してなくて。寮までの道がわからないから確認してたんだ。」 「じゃあ僕が案内するよ。僕も寮生だから。僕は平良島から来たんだけど、溝夜くんは?」 「ほんと!ありがとう!僕は尾ノ島だよ。」 「尾ノ島からの入学者も少ないから不安でしょ?でも寮はすごくいい人たちばっかりだよ。先輩達も寮母さんも。」 「そっか、良かったー。」 身長の割に、華奢な体つき。 その細身な体格同様、臆病で繊細そうな印象を受けた。 「あ、寮って2人部屋なんだよね?僕と同部屋になる人ってどんな人だろう?」 「確か剛の部屋だけ1人だったな…。僕の友達だから大丈夫。松木剛ってやつで、少し言動は荒っぽいけど、いいやつだよ。」 溝夜はほっと胸をなでおろした。
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