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―――夜になり、大賀と犬岡がくつろいでいると、隣の部屋から叫び声が聞こえてきた。
慌てて隣の部屋に駆け込むと、松木が溝夜に馬乗りになっている。
「あ、大賀くーん、『少し荒っぽい』なんて話が違うよ、助けてよー。」
「な、何これどうしたの?」
焦りながら二人を引き離し、大賀と犬岡は尋ねた。
「見てみろよ。」
松木は壁を指差す。
2人が壁に目をやると、そこには白人バスケットプレーヤーのポスターが貼ってあった。
「お、かっこいい。」
「これだれ?」
「ジードルナス・イルガスカスって元NBA選手だよ。屈強な選手やアスリートタイプの選手が多いNBAで、柔よく剛を制すって感じでゴール下を支配してた選手なんだ。技のデパートなんて呼ばれたりして。強さも速さもない僕が目標にしてる選手さ。」
溝夜は額をさすりながら起き上がる。
「じゃあ溝夜くんもバスケするんだ?」
「え、じゃあ大賀くんたちも?」
「柔よく『剛』を制そうとして、逆にやられたわけね。」
犬岡の言葉に反応し、松木がまた語気を強める。
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