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「やっぱり同じぐらいだ。185cmぐらい?」
「正確には186だな。」
「あー1cm負けた。でもすげー、見たい見たい!反対のゴールでやってみてよ。」
「反対のゴールも壊されたらもうバスケできんくなるばい?」
犬岡から冷静な指摘が入る。
「あ、そっか!おっさん、どうしてくれるとさ!片方ゴール壊れたらもう試合のできんたい!」
「いやー悪い悪い、懐かしすぎてつい、ね。しかしまいったな。弁償だよな…。」
「別にいいんじゃない?」
「ん?」
一瞬の間が入る。
「どうせ今年で廃校だからな。」
ん、とも、え、ともとれない言葉が自然と口からもれた。
「な…なんで?だってこの島に学校ってここだけじゃん?お前らどうすんだよ?」
「僕達、もうすぐ卒業ですから。」
大賀に続いて松木が答える。
「俺らが卒業したらもう年下の子供いねーもん。誰か引っ越してこない限りは今年で終わり。まあ、誰も引っ越してはこないだろうし。廃校は確定やね。」
「(そうか…なくなるのか、俺の母校。)」
もちろん、いつかはそうなるとわかっていたし、取り壊しはしないだろうから、オフで帰省した際に訪れる分には何の支障もない。
それでも少し、寂しかった。
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