5人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「なあ、おっさん、暇ならバスケしようよ。」
「『お兄さん』な。仕方ない、母校の慰労試合でもしてやるか。」
「そんなたいそうなもんじゃないけどね。ただの暇つぶし。」
またも犬岡から冷静なツッコミが入った。
「うるせ!よし、俺から1点でもとれたら何でも好きなもん買ってやるぜ。」
「言ったな、おっさん!じゃあ俺PSP!」
「『お兄さん』!1点とってから言えよ。」
「3対1の勝負でいいんですよね?僕ら3人初心者だし。」
「おお、まとめてこいよ!」
大賀の確認に答えながらジャージを脱ぐ。
AICHI 10
「あいち?」
「ああ、そうそう。俺の名前は大槻愛知(オオツキ アイチ)。愛を知る男だ、かっこいいだろ。」
「長崎出身なのに愛知?」
「冷たいツッコミやめろ!そこのツリ目の…ええと…?」
「犬岡大輔。」
「俺は松木剛だ、おっさん。」
「僕は大賀健二です。よろしくお願いします。」
ふっ、と大槻は笑った。
「無愛想男が犬岡で、失礼猿野郎が松木、丁寧くんが大賀ね、オッケー。」
「…(むっ)。」
「猿って、てめーこんにゃろ!」
「ま、まあまあ。」
大槻は反対のゴールの方へ移動しながら振り返る。
「さ、未来ある若者よ、どっからでもかかってきな。」
最初のコメントを投稿しよう!