第一章 少年と仲間たち

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高校に入学してから約一カ月。 俺はどこの部活にも入らず放課後は校内を少しぶらぶらしてから帰るというような毎日を繰り返していた。 俺・・・一条冬夜(いちじょうとうや)は何に対してもやる気や情熱がわかない。 昔からそうなのだ。 小学校、中学校と一切部活やクラブ活動に参加せず、勉強もほとんどしていない。 まあしかし、話を聞いていればそこそこの点数はとれるので苦労することもなかったが。 そんな俺は当然高校でも部活に入る予定はなかった。 無かったのだが・・・・。 「え~一年生の冬夜くんの入学を祝してかんぱ~い」 「かんぱ~い」 「・・・・は?」 一瞬だった。 いつもの通り校内を巡回していたら、突然横からこの教室に引き込まれいまの状況にいたる。 「あの~」 わけがわからず先輩らしき人たちに事情を聞こうとするとコップを渡される。 「自己紹介がまだだったね!私は3年の九島愛歌(くしまあいか)この助力部の部長だよ!」 やけにハイテンションなこの先輩は九島さんというらしい。 ウェーブのかかった金色の髪を揺らしながら九島先輩はもう一人の先輩(?)を紹介する。 「こっちは2年で副部長の三嶋雪(みしまゆき)だよ!」 「よろしくお願いします」 名前の通り肌が雪のように白いその先輩は礼儀正しくこちらに礼をする。 「よろしくお願いします?」 いまだに事情がわからない俺は思わず返事が曖昧になってしまう。 二人の先輩はどうやら助力部(?)という部活に所属しているらしい。 「えーそれで君にはこの助力部にはいってもらいます!」 ・・・・・・は? 「いやいやいや。ちょっと待ってください。話が意味分かんないんですけど」 意味がわからず一瞬フリーズしてしまう。 「いやだから君にはこの部活にはいってもらうっていってるんだけど?」 本当にわけがわからないように九島先輩は首をかしげる。 「そういうことをいってるんじゃなくてなんで俺がこの部活にはいらないといけないんですか?」 「私たちが困っているから?」
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