第一章 少年と仲間たち

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「はあ・・。もういいです。あきらめました」 意を決したように二人の先輩に告げる。 「それで?まずなにをするんですか」 「え?」 愛歌先輩はキョトンとする。 まるで何も考えていなかったかのように。 「え?ってまさか・・・」 「どうしよう?」 えへへと笑いながら、雪先輩の方を見る。 「はぁ。そんなことだろうと思いました」 呆れたように雪先輩はため息をつく。 「まずはもう少し部員を集めましょう」 言葉を区切り、こちらを見る。 なんですかその視線。 まさか愛の視線!? 「なにか気持ち悪いことを考えていませんか?」 侮蔑するような目線を向けられる。 気持ち悪いといわれてしまった・・・。 「冬夜くん」 「あ、くんはいらないですよ」 「そうですか、では冬夜」 「はい?」 「この部に入ってくれそうな友達はいませんか?」 まだ部活に入っていないやつとなると・・・・。 「ああ。二、三人います」 そういうと雪先輩は驚いた。 なんで? 「・・友達がいたのですか・・・」 「いますよっ!!」 ものすごく、失礼なことで驚かれていた。 「だいたい今の御時世に友達いない人なんているわけがないでしょう」 雪先輩が固まる。 愛歌先輩は苦笑い。 まさか・・・ 「いいですよ。友達なんていらないです。どこかのだれかもいってましたよ。友達作ると人間強度がさがるって」 どこの良々木さんですか。 ていうか、雪先輩。 友達いないんすか・・・。 「雪ちゃん!大丈夫だよ。私がいるじゃない!」 愛歌先輩が慌てて励ますが、時すでに遅し。 雪先輩は自虐モードに入っていた。 「で、結局。助力部に入らないかって誘えばいいんですね?」 「結局って・・励ましてくれないんですね・・。いいんです。私なんて所詮友達がいないかわいそうな子なんです・・・」 うわ。 めんどくさっ! 雪先輩めんどくさっ! 「じゃ、じゃあ今日のところは帰ります。明日またここにくればいいんですね」 「うん。じゃあまた明日ね~」 そういってそそくさと部室を後にする。 なんか先輩たちのキャラ濃すぎないか・・・? そんな先輩たちと過ごす日々が自分のなかの情熱を呼び起こすことができるのか。 そんな微かな期待を胸に帰路を歩く。
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