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テレビがつくと、あたしは一応テレビの音量を少し下げた。
適当にチャンネルを回す。
歌番組かドラマか…。
そんな小さな事で悩む。
歌番組。
最近の歌、いまいちよく分からないんだよね。
あたしも、年とったのかなー。
って、まだ24だし。
ドラマ。
これ五話目なんだよね。
一話なら、まだ見る気もしたのに。
佐原さんに目を向けると、忙しそうに、パソコンを操作している。
「ねぇー、知らない歌を聞くのと
意味の分からない物語を見るのどっちが良い?」
だけど、あたしはそんな佐原さんに話しかけた。
あたしも勝手な女だな。
「どうでもいい」
そして、こいつは優しさの欠片もない男だな。
暇だ。凄く暇。
テレビを消して、欠伸をするあたしに、
佐原さんは口を開いた。
「退屈か?」
「うん。すっごく。」
「じゃあ、少し話でもするか」
そういうと佐原さんはパタンとノートパソコンを閉じた。
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