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佐原さんは適当にチャンネルをまわす。
そして、目当ての番組があったのか、リモコンをテーブルに置いた。
テレビの音だけ響く室内。
結局、佐原さんは話てくれると言って、こっちに来たのに、テレビに見入っちゃうし。
テレビは面白くないし。
趣味まで合わないとか致命的。
だけど、特にする事もないあたしは、結局テレビを見る事にした。
「…………」
だけど。
テレビを見て十数分。
「ねぇ、」
きっと、テレビに見入ってるしシカトされるんだろうな。
そう思いながらも話し掛けた。
「……ん？」
だけど、佐原さんはテレビに目を向けながらも小さく返事をした。
「…………」
まさか返事をしてくれるなんて思ってなくて、
話題なんて考えてなかった。
「何だよ」
「…何でもない」
「何だそれ」
「…………」
「…………」
「ねぇ、」
「ん？」
「うん。何でもない」
「…うぜぇ、」
もしかして、さっきの決まり事。
シカト禁止を守ってくれてる？
…意外と可愛いとこあるんじゃん。
そう思うと何だか可笑しくて、
あたしは少し吹き出してしまった。
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