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洗面所に着き、洗面台の前に立つと、きちんと歯ブラシが二本ならんでいた。 こういう細かなものまで、揃えてくれた事には、やっぱり感謝した。 しかも、色はピンクと青の二本。 まさか、あたしが青じゃないよね? そう思いながらもピンク色の歯ブラシを手に取った。 歯ブラシに歯磨き粉をつけて、口の中に入れる。 そんな時、洗面所のドアが開いて、自然と目を向ける。 「俺ももう寝る」 そこには、当然佐原さんが居て、 あたしは、洗面台の前から少し横にずれた。 「ねぇ、あたしがピンクで良かったんだよね?」 歯を磨きながらだと流石に喋りにくい。 「どっちでもいい」 そう言いながら佐原さんは、 青色の歯ブラシを手に取った。 …どっちでも良いんかい。 けど、ピンクの歯ブラシがを使う佐原さんをちょっと見てみたかったかも。
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