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歯を磨いてる間、何となく視線に困ってしまう。
何せ、密室に当然の事ながら二人は無言。
シャコシャコと、歯磨きをする音だけが響いている。
「…………」
「…………」
鏡で自分の姿を見るのもなぁ。
特に、見るものもなく佐原さんに視線を向けて見た。
普段は、仕事があるから基本、佐原さんはスーツ姿。
だけど、今はスウェットを着ている。
お風呂も入ったから、髪型もセットされてなくて自然体。
スーツ姿の時は、年相応か少し上位に見えるけど、今は年齢よりも若く見える。
「何見てんだよ、さっさと磨け」
そんな事を考えてる間に、
佐原さんはもう歯を磨き終わっていて、あたしも慌ててうがいをした。
「てか、待ってなくても良いし!」
「お前、寝室に行くまで迷いそうだし」
…いや、迷わないし。
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