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父が連れてきた、その男とは2年半続いた。
「美結、彼とは別れなさい。」
2年半付き合っていたとはいえ、
あたしは彼に惹かれる事はなかった。
「はい」
父の操り人形の様に、動く自分。
なんでも彼は、有名大学に2年連続で落ちたとか。
「無能な男に、
うちの跡取りを任せる訳にはいかない。」
「そもそも、美結の社会勉強の為の男だった。
結婚させるつもりは最初からなかったがな」
いくら彼に惹かれていないとはいえ、
彼を可哀想に思った。
操り人形のあたしでさえ、
そう思ってしまう位、父の言い分は滅茶苦茶だった。
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