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「う、うわ~~あ。」
こんな時間だと慌てる俺は高校二年の浦田悠。あ、でも今日から三年にになったからちがうか。
目覚まし時計をセットし忘れたとなげいている暇もなく慌てて制服に着替える。
紺色のブレザーに袖を通し部屋を出る。
リビングに行くとだれもいない机の上にトーストと目玉焼きが置いてある。
目玉焼きには目をくれずトーストだけ口にくわえて洗面台にむかう。
とりあえず寝癖を直し、軽くワックスを手にのばし前髪をたてる。
少しこだわりでもある。
いそいで、玄関に向かうとゴミ捨てから帰ってきた母さんがいた。
「あんた!またギリギリに起きてーー!!!って、トースト加えながらいくんじゃありません!廊下中に粉がおちてるじゃないの!
近所の人にも恥ずかしいんだから食べてからいきなさい!」
俺ははいはいと適当に返事をして玄関からでようとした。
「ちょっと、悠!きいてんの!?今日から三年なのよ!?受験生の意識をもちなさいね!まったくいつも……」
「おお!わかった、しっかりすっから、でも遅刻しそうだから先いくぜ。じゃあ、いってきまーす!」
母さんをすり抜けて玄関をでる。
シルバーのチャリに体を乗せて、いそいで、足で地面をける。いそがないと。
いつも、母さんは朝からうるさいから
三年になっても何一つ変わらない日常がはじまるんだと思っていた。
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