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自分のことだと自覚の無い葵が後ろを振り返るが誰も居る筈も無く、再び青年に視線を移し自分を指差す。
「他に誰がいるんだよ?」
「……姉ちゃんて私のことですか?」
「弟の顔も分からないんじゃ母さんから聞いてた通り記憶が混乱してんだね」
「……弟?」
「……(コクコク)」
葵が指差すと弟だと名乗る青年が頷く。
アレ?私に弟なんて居たっけ?アレ?弟ってなんだっけ?アレ?アレ?アレ―――――??
「弟――――!?」
もうダメだ。訳が分からな過ぎていい加減にして欲しい。
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