僕の世界

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花のように笑うこの人は、僕をすぐに忘れてしまうだろう。 きっと、乗りたかった電車の次の電車に乗る頃には、たった今ついた鞄の汚れをはたくように、僕のこともどこかへ、やってしまうのだろう。 僕はうつむいて、「気をつけて。」とだけ言った。 ───────今日も、ほとんど口を利かない、僕のつまらない一日が始まる。
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