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やっとのことで教室に戻ってきた頃には、一緒にお弁当を食べていたはずの紗栄子はもう自分の席に戻っていた。
「サエー…」
「あ、ひより!ねぇ、どうだった!??やっぱ告白!??どんな人っ!!」
紗栄子は私を見るなり、いきなりそう聞いてきます。
告白だと信じてやまない紗栄子は目をキラキラ輝かせて興味津々なご様子…
……こっちは恐怖の昼休みを過ごしたんだというのに。
「ねー早くっ!3年生が呼んでるって言われてその後全然帰ってこなかったから心配したんだよー?話せー!!」
…紗栄子よ。
それは心配じゃなくてただの興味だよ…。
なんて心の中で突っ込みながらもさっきの恐怖体験を聞いてもらいたくて、話し出す。
「いやー…ねぇ、実は…」
「告白??」
「………わかんない。」
あれは告白だったのだろうか……
いや、でも好きとか一言も言われてないし。
むしろ告白っていうより脅迫だったような……
「で、誰だったの?3年の。知ってる人??」
「………大神先輩。」
「はあぁぁぁぁっ????!!大神先輩!??」
「ちょっ!サエ、声おっきい!!!」
驚きと興奮で声が大きくなる紗栄子をなんとか宥めて落ち着かせる。
紗栄子は興奮すると周りなんか見えなくなるからちょっと困りものなのです。
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