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「・・・あの~」
「はい?」
(そう言えばもう一人いたなぁ)
完全に存在忘れられていた縛られた女性。
「・・・あぁ。すいません。ストローでしたよね?今持ってきます」
「いえ、熱々の玉露をストローは危険かと」
「そうですか・・・でもお茶、飲めないですよ?」
「紐をほどいてくれれば」
「あぁそうですね。すいません・・・えぇっとお名前は?」
すると女性は動けないしても姿勢だけはと、座布団に頑張って座り直す。
「私は皆から八尺様と呼ばれる者です」
八尺様。数時間前にメリーさん達が話していた人物。
「こちらの挨拶をお忘れしてました。八雲春人です。・・・と、それで八尺様はどういった御用件で?」
すると八尺様は頬を少し赤らめて話始める。
「・・・私は自分の姿を気に入った相手とそれに近い人物に見せる力があります」
「都市伝説スゲェ」
「そこで素敵な人を捜しに行ってたら公園で見つけて私に話しかけてくれました」
「彼氏探しか」
「そして今、その方をお迎えに来たのです」
「深夜にお迎えはあれだから昼にしなさいって」
「ですが、高まるこの気持ちを押さえる事が出来ませんでした」
「でも、八尺様って連れていった人は死んじゃうんじゃ?」
「・・・私だけを見てほしくて」
「なんだヤンデレか」
そこで疑問が浮かぶ春人。
「・・・で?その相手って?」
「春人?」
「僕は家にいたよ?」
「じゃあ誰?」
「普通に考えて貴女でしょ雪花」
現れたのはメリーを抱えて出てきた貞子だった。
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