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「あ、そうそう。昨日も言ったけど、今日から学校だから留守番お願いしますね」
不意に箸の落ちる音が聞こえた。顔を上げるとメリーさんがガクガクと震えている。
「どうかしたのメリーさん?」
「つ、つつつつまり、1人でこの家にいると?」
「はい」
「1人?」
「1人」
メリーさんが本格的に機能が停止しそうになる。
「大丈夫ですよ。確かにお化け屋敷って聞いて恐いかもしれませんが、何もしなきゃ害はありませんよ」
「どこまでやったら気に触れるか分から恐いんだよ!」
「メリーさんは都市伝説になってるんだから大丈夫ですよ。周りから見ればこの家のお化けとメリーさんは同じくらい恐いんですから」
鞄の荷物を確認して持ち、立ち上がる。
「それじゃあメリーさん。行ってきます」
「ちょっと待て!春人!」
メリーさんの静止もあえなく家を出て行き、家にドアの閉まる音が響くのであった。
「無理無理無理……」
カタン。
「ヒャーーー!」
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