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「荷物はこれで全部ですか?」
「はい。ありがとうございます」
僕は引っ越しのおじさんにお礼を言って、最後の手続きをした。
「それにしても兄ちゃん。ここに住むなんて変わってるね?」
おじさんが言ってるのは、これから僕が住むこの一軒家。別名『お化け屋敷』。
ぱっと見は小綺麗などこにでもある一軒家。しかし、実はわけあり物件であり怪奇現象や殺人や自殺と問題があり、物凄く有り難いお手頃価格になった。
「物好きというよりは安いですから。いわく付きだろうと何だろうと親の負担にならないようにしないとですね」
「そうか。家族思いなんだな。・・・これを渡しとくよ」
すると渡してきたのは引っ越しの割引券。
「住んだ奴がおかしくなったりするらしいからな。少しでもヤバいっておもったら電話しな。直ぐに手伝いに行ってやるよ」
おじさんかっこよすぎる。なんて考えると、おじさんは最後に手を振り帰って行った。
「っと。確か明日は挨拶で、明後日から始まるんだっけ?だったら早く片づけないとな」
僕はリビングに置いてもらった荷物を取り出し準備に入った。
「……しかし、この家シミと札が多いな。剥がしたりして片づけるか」
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